・認知症の代表的な原因疾患には「アルツハイマー病」と「脳血管性障害」がある。
・「認知症高齢者の日常生活自立度」を参考にし、認定調査が行われている。
・「認知症高齢者の日常生活自立度」は「障害老人の日常生活自立度」と併せて一次評価に反映させている。
・認知症とは
認知症とは、「脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害が起こり、普通の社会生活がおくれなくなった状態。」
のことをいいます。
老化にともなう「もの忘れ」よりも急速に脳細胞が消失して、記憶の一 部ではなく全てがなくなったりします。
また、人格崩壊や妄想・幻覚といった症状を引き起こすこともあり、日常生活に支障をきたすことが多いのが特徴です。
・代表的な疾患
認知症となる原因の疾患は複数ありますが、特に代表的なものとして、「アルツハイマー病」と「脳血管性障害」があります。
両疾患の特徴をまとめると以下のようになります。
1、アルツハイマー病
脳が神経細胞が急激に減少し、次第に萎縮していく。知能、身体全体の機能が衰えていきます。
初期段階においては、古い記憶は比較的保たれており、運動麻痺や感覚障害などの神経症状もみられない。
ゆっくりと発病し、徐々に悪化していく傾向にある。
「判断力の低下」が確認され、時間・場所・人物の判断がつかなくなってくる。
新しい出来事が覚えにく く、忘れやすくなる。
進行すると、もの忘れがひどくなり、生活に支障をきたすまでになってくる。
2、脳血管性障害
脳血管性認知症は脳卒中後に比較的起きやすい。(脳卒中:脳梗塞や脳出血が代表的)
脳の血管に血瘤ができたり、血管が破裂することにより悪化する。
もの忘れ・手足の痺れ・頭痛・めまい・耳鳴り等の神経症状を伴う。
脳卒中の発作が起こるたびに段階的に認知症がひどくなる傾向にある。
障害された場所によって、症状に差があり、認知はまだら状に低下していく。
記憶障害がひどくても人格や判断力は比較的保たれやすい。
日によって症状に差がある。
・認知症高齢者の日常生活自立度
「認知症高齢者の日常生活自立度」とは、「高齢者の認知症の程度と、それによる日常生活の自立度を客観的指標としてあらわしたもの」です。
介護保険制度の要介護認定では、認定調査や主治医意見書の中で「障害老人の日常生活自立度」と併せて、この指標が用いられ、一次判定の結果に反映させています。